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「アクティブ・ラーニング」について-諮問・答申・報告等の記述内容から-

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月13日更新

課題の発見・解決に向けた主体的・対話的で深い学び(「アクティブラーニング」)が重要との議論が重ねられ、新しい学習指導要領に向けた様々な答申・報告等で、キーワードの1つとなっています。
取り上げられたものをまとめてみました。※下へ行くほど新しい記事が記載されています。スクロールしてご覧ください。

主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)とは、単に形式的に対話型を取りいれた授業や、特定の指導の型を目指した技術の改善等に留まるものではありません。また、特定の指導法等を授業に「導入」したり「位置付け」たりしようとするものでもありません。

すべての教職員が校内研修や多様な研修の場を通じて正しく理解を深めることが大切です。

新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)平成24年8月28日 ※「質的転換答申」といわれている。(文部科学省HP)

生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材は、学生からみて受動的な教育の場では育成することができない。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。すなわち個々の学生の認知的、倫理的、社会的能力を引き出し、それを鍛えるディスカッションやディベートといった双方向の講義、演習、実験、実習や実技等を中心とした授業への転換によって、学生の主体的な学修を促す質の高い学士課程教育を進めることが求められる。学生は主体的な学修の体験を重ねてこそ、生涯学び続ける力を修得できるのである。
用語集【アクティブ・ラーニング】(p3、4、9)教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。(※本答申では、「学習」ではなく、一定の課程を学ぶという意味の「学修」を用いている。)

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)平成26年11月20日(文部科学省HP)

新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関連して、これまでも、例えば、Oecdが提唱するキー・コンピテンシーの育成に関する取組や、論理的思考力や表現力、探究心等を備えた人間育成を目指す国際バカロレアのカリキュラム、ユネスコが提唱する持続可能な開発のための教育(Esd)などの取組が実施されています。さらに、未曾有(みぞう)の大災害となった東日本大震災における困難を克服する中で、様々な現実的課題と関わりながら、被災地の復興と安全で安心な地域づくりを図るとともに、日本の未来を考えていこうとする新しい教育の取組も芽生えています。
これらの取組に共通しているのは、ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず、学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い、子供たちがそうした教育のプロセスを通じて、基礎的な知識・技能を習得するとともに、実社会や実生活の中でそれらを活用しながら、自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に探究し、学びの成果等を表現し、更に実践に生かしていけるようにすることが重要であるという視点です。
そのために必要な力を子供たちに育むためには、「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと、「どのように学ぶか」という、学びの質や深まりを重視することが必要であり、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)や、そのための指導の方法等を充実させていく必要があります。こうした学習・指導方法は、知識・技能を定着させる上でも、また、子供たちの学習意欲を高める上でも効果的であることが、これまでの実践の成果から指摘されています。
また、こうした学習・指導方法の改革と併せて、学びの成果として「どのような力が身に付いたか」に関する学習評価の在り方についても,、様の視点から改善を図る必要があると考えられます。

新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)平成26年12月22日(文部科学省HP)

高等学校については、現行学習指導要領において、知識・技能の習得に加えて、思考力・判断力・表現力等の能力や、主体的に学習に取り組む態度の育成を目指しており、その実現を目指した関係者による努力が重ねられている。大学教育についても、中央教育審議会答申等において、初等中等教育段階における「生きる力」の育成を踏まえ、「学士力」をはじめとする育成すべき力の在り方や、その育成のための大学教育の質的転換について提言されてきており、学生が主体性を持って多様な人々と協力して問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(以下「アクティブ・ラーニング」という。)の充実などに向けた教育改善が図られつつある。

(教育再生実行会議)これからの時代に求められる資質・能力と、それを培う教育、教師の在り方について(第七次提言)平成27年5月14日

2.これからの時代を見据えた教育内容・方法の革新~求められる資質・能力を教育によっていかに培うか~(1) アクティブ・ラーニングの推進、世界に伍する教育体制の確立
小・中・高等学校から大学までを通じて、課題解決に向けた主体的・協働的で、能動的な学び(アクティブ・ラーニング)へと授業を革新し、学びの質を高め、その深まりを重視することが必要です。

教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)平成27年8月21日(8月26日確定)

(「アクティブ・ラーニング」の意義)

  • 次期改訂が目指す育成すべき資質・能力を育むためには、学びの量とともに、質や深まりが重要であり、子供たちが「どのように学ぶか」についても光を当てる必要があるとの認識のもと、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)」について、これまでの議論等も踏まえつつ検討を重ねてきた。

(指導方法の不断の見直し)

  • 変化を見通せないこれからの時代において、新しい社会の在り方を自ら創造することができる資質・能力を子供たちに育むためには、教員自身が習得・活用・探究といった学習過程全体を見渡し、個々の内容事項を指導することによって育まれる思考力や判断力、表現力等を自覚的に認識しながら、子供たちの変化等を踏まえつつ自ら指導方法を不断に見直し、改善していくことが求められる。
  • このような中で次期改訂が学習・指導方法について目指すのは、特定の型を普及させることではなく、下記のような視点に立って学び全体を改善し、子供の学びへの積極的関与と深い理解を促すような指導や学習環境を設定することであり、教員一人一人が、子供たちの発達の段階や発達の特性、子供の学習スタイルの多様性や教育的ニーズと教科等の学習内容、単元の構成や学習の場面等に応じた方法について研究を重ね、ふさわしい方法を選択しながら、工夫して実践できるようにすることである。
    1. 習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているかどうか。
      新しい知識や技能を習得したり、それを実際に活用して、問題解決に向けた探究活動を行ったりする中で、資質・能力の三つの柱に示す力が総合的に活用・発揮される場面が設定されることが重要である。教員はこのプロセスの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。
    2. 他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広げ深める、対話的な学びの過程が実現できているかどうか。
      身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教師と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。こうした観点から、前回改訂における各教科等を貫く改善の視点である言語活動の充実も、引き続き重要である。
    3. 子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる、主体的な学びの過程が実現できているかどうか。
      子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、獲得された知識・技能や育成された資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。子供の学びに向かう力を刺激するためには、実社会や実生活に関わる主題に関する学習を積極的に取り入れていくことや、前回改訂で重視された体験活動の充実を図り、その成果を振り返って次の学びにつなげていくことなども引き続き重要である。
  • こうした、必要な資質・能力を総合的に育むための学びは、特に小・中学校では、全国学力・学習状況調査において、主として「活用」に関する問題(いわゆるB問題)が出題され、関係者の意識改革や授業改善に大きな影響を与えたことなどもあり、多くの関係者による実践が重ねられてきている。「アクティブ・ラーニング」を重視する流れは、こうした優れた実践を踏まえた成果であり、また、今後は特に高等学校において、義務教育までの成果を確実につなぎ、一人一人に育まれた力を更に発展・向上させることが求められる。

次期学習指導要領改訂に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)について平成28年8月1日

    ※以下は「アクティブ・ラーニング」及び「主体的・対話的で深い学び」について言及された主な部分を抜粋したものです。詳しくは上記リンクから原本をご覧ください。

1 次期学習指導要領改訂に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)のポイントより

(改訂の基本方針)

  • 学習内容を深く理解し、社会や生活で活用出来るようにするためには、知識の量や質と思考力の両方が重要。学習内容の削減は行わず、「アクティブ・ラーニング」の視点から学習課程を質的に改善することを目指す。知識重視か思考力重視かという二項対立的な議論に終止符。
    「アクティブ・ラーニング」の視点は、学校における質の高い学びを実現し、子供たちが学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたってアクティブに学び続けるようにするためのもの。「学び」の本質として重要となる「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す授業改善の視点が「アクティブ・ラーニング」の視点
    a.学ぶ意味と自分の人生や社会の在り方を主体的に結びつけていく「主体的な学び」
    b.多様な人との対話や先人の考え方(書物等)で考えを広げる「対話的な学び」
    c.各教科等で習得した知識や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせて、学習対象と深く関わり、問題を発見・解決したり、自己の考えを形成し表したり、思いを基に構想・創造したりする「深い学び」
    • こうした教育課程の構造や、新しい時代に求められる資質・能力の在り方、アクティブ・ラーニングの考え方等について、すべての教職員が校内研修や多様な研修の場を通じて理解を深めることができるよう、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の視点から学習指導要領の要であり、教育課程に関する基本原則を示す「総則」を抜本的に改善し、必要な事項を分かりやすく整理。
    • こうした新しい総則を手掛かりに、前回改訂の答申でも提言された、各学校における「カリキュラム・マネジメント」の実施を促進し、学校教育の改善・充実の好循環を実現。

    (具体的な改善の方向性)

    • 学習課程を質的に改善し、「主体的・対話的で深い学び」を実現するために必要な授業改善の視点(「アクティブ・ラーニング」の視点)を教科等を越えて共有。あわせて、各教科等の特質に応じた「主体的・対話的で深い学び」について考え方を整理し、指導事例集の作成等に反映。

    2 次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)の総論部分より

    (「アクティブ・ラーニング」の視点と連動させた学校経営の展開)

    • (前略)「アクティブ・ラーニング」は、形式的に対話型を取りいれた授業や特定の指導の型を目指した技術の改善に留まるものではなく、子供たちの質の高い深い学びを引き出すことを意図するものであり、さらに、それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から、学習の在り方そのものの問い直しを目指すものである。また、「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高める観点から、学校の組織及び運営について見直しを迫るものである。
      • その意味において次期改訂に向けて提起された「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、授業改善や組織運営の改善など、学校の全体的な改善を行うための鍵となる二つの重要な概念として位置付けられるものであり、相互の連動を図り、機能させることが大切である。教育課程を核に、授業改善及び組織運営の改善に一体的・全体的に迫ることのできる組織文化の形成を図り、「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」を連動させた学校経営の展開が、それぞれの学校や地域の実態を基に展開されることが求められる。

      (各教科の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実 -どのように学ぶか-)

      • 各学校は、「カリキュラム・マネジメント」を通じて、子供たちが「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を組み立てていくことが求められるが、このうち、「どのように学ぶか」の鍵となるのが、アクティブ・ラーニングの視点、すなわち子供たちの「主体的・対話的で深い学び」をいかに実現するかという、学習・指導改善のための視点である。(子供の学習過程の質を高めることの重要性と「アクティブ・ラーニング」の意義)
      • 社会で生きて働く知識や力を育むためには、子供たちが「何を学ぶか」という学習内容の在り方に加えて、それらの内容を「どのように学ぶか」という、学びの過程に着目してその質を高めていくことが重要である。世の中をどのような視点で捉え、どのような枠組みで考えたらいいのかという、物事に対する見方・考え方を身に付けて深く理解したり、多様な人との対話で考えを広げたり、学ぶことの意味と自分の人生や社会の在り方を主体的に結びつけたりしていくという学びが実現されることによって、学校で学ぶ内容が、生きて働く知識や力として育まれることになる。
      • こうした学びの過程が「主体的・対話的で深い学び」であり、こうした学びが実現するように、日々の授業を改善していくための視点を共有し取組を活性化しようというのが今回の改訂の主眼である。
      • 教育方法に関するこれまでの議論においても、子供たちが主体的に学ぶことや、学級やグループの中で協働的に学ぶことの重要性は指摘されてきており、多くの実践も積み重ねられてきた。特に小・中学校では、全国学力・学習状況調査において、主として「活用」に関する問題(いわゆるB問題)が出題され、関係者の意識改革や授業改善に大きな影響を与えたことなどもあり、多くの関係者による実践が重ねられてきている。「アクティブ・ラーニング」を重視する流れは、こうした優れた実践を踏まえた成果であり、また今後は特に高等学校において、義務教育までの成果を確実につなぎ、一人一人に育まれた力を更に発展・向上させることが求められる。

      (「主体的・対話的で深い学び」の実現)

      • 「主体的・対話的で深い学び」とは、特定の指導方法のことでも、学校教育おける教員の意図性を否定することでもない。教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求められる資質・能力を育むためにはどのような学びが必要かを絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねていけるようにすることで、子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を実現しようとする営みなのである。
      • 「主体的・対話的で深い学び」の具体的な内容については、以下のように整理した。
        「主体的・対話的で深い学び」とは、単元や題材のまとまりの中で、以下のような学びを実現し、学習内容の深い理解や資質・能力の育成、学習への動機付けにつなげること。
        a.習得した知識や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせながら、問いを見出して解決したり、自己の考えを形成し表したり、思いを基に構想、創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
        新しい知識や技能を習得したり、それを実際に活用して、問題解決に向けた探究活動を行ったりする中で、資質・能力の三つの柱に示す力が総合的に活用・発揮される場面が設定されることが重要である。教員はこのプロセスの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。
        b.子供同士の協働、教員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自らの考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
        身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。
        c.学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら、見通しを持って粘り強く取組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、獲得された知識・技能や育成された資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。
        • これら三つの視点は、子供の学びの過程としては一体として実現されるものであり、また、それぞれ相互に影響し合うものでもあるが、学びの本質を異なる側面から捉えたものであり、授業改善の視点としてはそれぞれ固有の視点であることに注意が必要である。単元や題材のまとまりの中で、子供たちの学習過程がこれら三つの点を満たすものになっているか、それぞれの視点の内容と相互のバランスに配慮しながら学びの状況を把握し改善していくことが求められる。

        (「深い学び」と「見方・考え方」)

        • 「主体的な学び」「対話的な学び」については、その趣旨が理解しやすく改善が図りやすいのに対して、「深い学び」についてはイメージがつかみにくいとの指摘もある。一方で、アクティブ・ラーニングの視点については、深まりを欠くと表面的な活動に陥ってしまうといった失敗事例も報告されており、「深い学び」の視点は極めて重要である。
          • 学びの「深まり」の鍵となるものとして、すべての各教科等で整理されているのが、(中略)各教科等の特質に応じた「見方・考え方」である。今後の授業改善等においては、この「見方・考え方」が極めて重要になってくると考えられる。

          次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ【確定版】について平成28年8月26日

          ※以下は、「審議のまとめ第一部」の中で、「アクティブ・ラーニング」及び「主体的・対話的で深い学び」について言及された主な部分を抜粋したものです。詳しくは上記リンクから原本をご覧ください。
          ※「審議のまとめ第2部  各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性」における上記の記述は多岐に亘りますので、それぞれのご専門の部分等を熟読されてください。

          4.学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」

          (2)学習指導要領等の改善の方向性

          a.学習指導要領等の枠組みの見直し
          (新しい学習指導要領等の考え方を共有するための、総則の抜本的改善)

          • 学習指導要領等の改訂においては、この総則の位置付けを抜本的に見直し、前述1.~6.の軸に沿った章立てとして組み替え、後述する資質・能力の在り方や「アクティブ・ラーニング」の視点も含め、必要な事項が各学校における教育課程編成の手順を追ってわかりやすくなるように整理することが求められる。

          c.「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)

          • 第三は、「主体的・対話的で深い学び」、すなわち「アクティブ・ラーニング」の視点からの学びをいかに実現するかである。子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるようにするためには、子供たちが「どのように学ぶか」という学びの質が重要になる。
          • 学びの質は、7.に述べるように、子供たちが、主体的に学ぶことの意味と自分の人生や社会の在り方を結びつけたり、多様な人との対話で考えを広げたり、各教科等で身に付けた資質・能力を様々な課題の解決に生かすよう学びを深めたりすることによって高まると考えられる。こうした「主体的・対話的で深い学び」が実現するように、日々の授業を改善していくための視点を共有し、授業改善に向けた取組を活性化しようとするのが、「アクティブ・ラーニング」の視点である。
          • これは、形式的に対話型を取り入れた授業や特定の指導の型を目指した技術の改善にとどまるものではなく、子供たちそれぞれの興味や関心を基に、一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことを意図するものであり、さらに、それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から、学習の在り方そのものの問い直しを目指すものである。
            • また、「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高める観点から、学校の組織や経営の見直しにつながるものである。その意味において、今回の改訂において提起された「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、教育課程を軸にしながら、授業、学校の組織や経営の改善などを行うためのものであり、両者は一体として捉えてこそ学校全体の機能を強化することができる。

            7.どのように学ぶか -各教科等の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実-

            (学びの質の重要性と「アクティブ・ラーニング」の視点の意義)

            • 子供たちは、このように、主体的に、対話的に、深く学んでいくことによって、学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解したり、未来を切り拓ひらくために必要な資質・能力を身に付けたり、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができる。また、それぞれの興味や関心を基に、自分の個性に応じた学びを実現していくことができる。
              • こうした学びの質に着目して、授業改善の取組を活性化しようというのが、今回の改訂が目指すところである。平成26年11月の諮問において提示された「アクティブ・ラーニング」については、子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を実現するために共有すべき授業改善の視点として、その位置付けを明確にすることとした。(創意工夫に基づく指導方法の不断の見直しと「授業研究」)
              • 教育方法に関するこれまでの議論においても、子供たちが主体的に学ぶことや、学級やグループの中で協働的に学ぶことの重要性は指摘されてきており、多くの実践も積み重ねられてきた。特に小・中学校では、全国学力・学習状況調査において、主として「活用」に関する問題(いわゆるB問題)が出題され、関係者の意識改革や授業改善に大きな影響を与えたことなどもあり、多くの関係者による実践が重ねられてきている。「アクティブ・ラーニング」を重視する流れは、こうした優れた実践を踏まえた成果である。

              (「主体的・対話的で深い学び」の実現)

              • 主体的・対話的で深い学び」の実現とは、特定の指導方法のことでも、学校教育における教員の意図性を否定することでもない。人間の生涯にわたって続く「学び」という営みの本質を捉えながら、教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求められる資質・能力を育むために必要な学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねていくことである
              • 主体的・対話的で深い学び」の具体的な内容については、以下のように整理することができる。
                主体的・対話的で深い学び」の実現とは、以下の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることである。
                a.学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、身に付いた資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。
                b.子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
                身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教職員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。
                c.各教科等で習得した概念や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせ、問いを見いだして解決したり、自己の考えを形成し表したり、思いを基に構想、創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
                各教科等で習得した概念(知識)や考え方を実際に活用して、問題解決等に向けた探究を行う中で、資質・能力の三つの柱に示す力が総合的に活用・発揮される場面が設定されることが重要である。教員はこの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。
                • これら「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の三つの視点は、子供の学びの過程としては一体として実現されるものであり、また、それぞれ相互に影響し合うものでもあるが、学びの本質として重要な点を異なる側面から捉えたものであり、授業改善の視点としてはそれぞれ固有の視点であることに注意が必要である。単元や題材のまとまりの中で、子供たちの学びがこれら三つの視点を満たすものになっているか、それぞれの視点の内容と相互のバランスに配慮しながら学びの状況を把握し改善していくことが求められる。

                (各教科等の特質に応じた学習活動を改善する視点)

                • アクティブ・ラーニング」については、総合的な学習の時間における地域課題の解決や、特別活動における学級生活の諸問題の解決など、地域や他者に対して具体的に働きかけたり、対話したりして身近な問題を解決することを指すものと理解されることも見受けられるが、そうした学びだけを指すものではない。
                • こうした学習活動については、今までの授業時間とは別に新たに時間を確保しなければできないものではなく、現在既に行われているこれらの活動を、「主体的・対話的で深い学び」の視点で改善し、単元や題材のまとまりの中で指導内容を関連付けつつ、質を高めていく工夫が求められていると言えよう。
                • 重要なことは、これまでも重視されてきた各教科等の学習活動が、子供たち一人一人の資質・能力の育成や生涯にわたる学びにつながる、意味のある学びとなるようにしていくことである。そのためには、授業や単元の流れを子供の「主体的・対話的で深い学び」の過程として捉え、子供たちが、習得した概念や考え方を手段として働かせながら学習に取り組み、その中で資質・能力の活用と育成が繰り返されるような指導の創意工夫を促していくことが求められる。あわせて、教科等を超えて授業改善の視点を共有することにより、教育課程全体を通じた質の高い学びを実現していくことも期待される。

                (単元等のまとまりを見通した学びの実現)

                • また、「主体的・対話的で深い学び」は、1単位時間の授業の中ですべてが実現されるものではなく、単元や題材のまとまりの中で、例えば主体的に学習を見通し振り返る場面をどこに設定するか、グループなどで対話する場面をどこに設定するか、学びの深まりを作り出すために、子供が考える場面と教員が教える場面をどのように組み立てるか、といった視点で実現されていくことが求められる。

                (「深い学び」と「見方・考え方」)

                • 「主体的な学び」「対話的な学び」については、その趣旨が理解しやすく改善が図りやすいのに対して、「深い学び」についてはイメージがつかみにくいとの指摘もある。一方で「アクティブ・ラーニング」の視点については、深まりを欠くと表面的な活動に陥ってしまうといった失敗事例も報告されており、「深い学び」の視点は極めて重要である。
                • 学びの「深まり」の鍵となるものとして、すべての教科等で整理されているのが、5.(3)で述べた各教科等の特質に応じた「見方・考え方」である。今後の授業改善等においては、この「見方・考え方」が極めて重要になってくると考えられる。
                • 質の高い深い学びを目指す中で、教員には、指導方法を工夫して必要な知識・技能を教授しながら、それに加えて、子供たちの思考を深めるために発言を促したり、気付いていない視点を提示したりするなど、学びに必要な指導の在り方を追究し、必要な学習環境を積極的に設定していくことが求められる。そうした中で、着実な習得の学習が展開されてこそ、主体的・能動的な活用・探究の学習を展開することができると考えられる。
                  • 今回の改訂が目指すのは、学習の内容と方法の両方を重視し、子供の学びの過程を質的に高めていくことである。単元や題材のまとまりの中で、子供たちが「何ができるようになるか」を明確にしながら、「何を学ぶか」という学習内容と、「どのように学ぶか」という学びの過程を組み立てていくことが重要になる。「見方・考え方」を軸としながら、幅広い授業改善の工夫が展開されていくことを期待するものである。

                  9.何が身に付いたか-学習評価の充実-

                  (評価に当たっての注意点等)

                  • こうした姿を見取るためには、子供たちが主体的に学習に取り組む場面を設定していく必要があり、「アクティブ・ラーニング」の視点からの学習・指導方法の改善が欠かせない。また、学校全体で評価の改善に組織的に取り組む体制づくりも必要となる。

                  10.実施するために何が必要か-学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策-

                  (1)「次世代の学校・地域」創生プランとの連携

                  • この中で、教員の資質・能力の向上を目指す制度改革については、国、教育委員会、学校、大学等が目標を共有して連携しながら、次期学習指導要領等に向けて教員に求められる力を効果的に育成できるよう、教育委員会と大学等との協議の場の設置や教員に求められる能力を明確化する教員育成指標、それを踏まえた研修計画の策定などを示している。また、「教員は学校で育つ」ものであることから、日常的に学び合う校内研修の充実等を支援する方策を行うこととし、「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善や外国語教育等の新たな教育課題に対応した教員研修・養成も充実していくこととしている。

                  (2)学習指導要領等の実施に必要な諸条件の整備

                  (教員の資質・能力の向上)

                  • 教員の資質・能力の向上を目指す制度改革については、前述の通り、国、教育委員会、学校、大学等が目標を共有してお互い連携しながら、次期学習指導要領等に向けて教員に求められる力を効果的に育成できるよう、教育委員会と大学等との協議の場の設置や教員に求められる能力を明確化する教員育成指標、それを踏まえた研修計画の策定などが実施されることとされている。教員研修自体の在り方を、「アクティブ・ラーニング」の視点で見直していこうとする提言なども含まれている。

                  学習指導要領等の改善及び必要な方策について(答申)について平成28年12月21日 New!

                  ※以下は、「学習指導要領等の改善及び必要な方策について(答申)」の第1部の中で、「アクティブ・ラーニング」及び「主体的・対話的で深い学び」について言及された主な部分を抜粋したものです。詳しくは上記リンクから原本をご覧ください。
                  ※第2部「各学校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性」における上記の記述は多岐に亘りますので、それぞれのご専門の部分等を熟読されてください。

                  第4章 学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」

                  2.学習指導要領等の改善の方向性

                  (1)学習指導要領等の枠組みの見直し

                  (新しい学習指導要領等の考え方を共有するための、総則の抜本的改善)

                  • 学習指導要領等の改訂においては、この総則の位置付けを抜本的に見直し、前述a.~f.に沿った章立てとして組み替え、後述する資質・能力の在り方や「アクティブ・ラーニング」の視点も含め、必要な事項が各学校における教育課程編成の手順を追って分かりやすくなるように整理することが求められる。

                  (3)「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)

                  • 第三は、子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるようにするため、子供たちが「どのように学ぶか」という学びの質を重視した改善を図っていくことである。
                  • 学びの質を高めていくためには、第7章において述べる「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、日々の授業を改善していくための視点を共有し、授業改善に向けた取組を活性化していくことが重要である。
                  • これが「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善であるが、形式的に対話型を取り入れた授業や特定の指導の型を目指した技術の改善にとどまるものではなく、子供たちそれぞれの興味や関心を基に、一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことを意図するものであり、さらに、それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から、学習の在り方そのものの問い直しを目指すものである。
                  • また、「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高める観点から、学校の組織や経営の見直しにつながるものである。その意味において、今回の改訂において提起された「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、教育課程を軸にしながら、授業、学校の組織や経営の改善などを行うためのものであり、両者は一体として捉えてこそ学校全体の機能を強化することができる。

                  第7章 どのように学ぶか

                  -各教科等の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実-

                  1.学びの質の向上に向けた取組

                  (学びの質の重要性と「アクティブ・ラーニング」の視点の意義)

                  • 学校での学びは、個々の教員の指導改善の工夫や教材研究の努力に支えられている。こうした工夫や努力は、子供たちが「どのように学ぶか」を追究することに向けられたものである。
                  • 学びの成果として、生きて働く「知識・技能」、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」、学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」を身に付けていくためには、学びの過程において子供たちが、主体的に学ぶことの意味と自分の人生や社会の在り方を結び付けたり、多様な人との対話を通じて考えを広げたりしていることが重要である。また、単に知識を記憶する学びにとどまらず、身に付けた資質・能力が様々な課題の対応に生かせることを実感できるような、学びの深まりも重要になる。
                  • 子供たちは、このように、主体的に、対話的に、深く学んでいくことによって、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解したり、未来を切り拓くために必要な資質・能力を身に付けたり、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができる。また、それぞれの興味や関心を基に、自分の個性に応じた学びを実現していくことができる。
                  • こうした学びの質に着目して、授業改善の取組を活性化しようというのが、今回の改訂が目指すところである。平成26年11月の諮問において提示された「アクティブ・ラーニング」については、子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を実現するために共有すべき授業改善の視点として、その位置付けを明確にすることとした。

                  (創意工夫に基づく指導方法の不断の見直しと「授業研究」)

                  • 教育方法に関するこれまでの議論においても、子供たちが主体的に学ぶことや、学級やグループの中で協働的に学ぶことの重要性は指摘されてきており、多くの実践も積み重ねられてきた。特に小・中学校では、全国学力・学習状況調査において、主として「活用」に関する問題(いわゆるB問題)が出題され、関係者の意識改革や授業改善に大きな影響を与えたことなどもあり、多くの関係者による実践が重ねられてきている。「アクティブ・ラーニング」を重視する流れは、こうした優れた実践を踏まえた成果である。

                  2.「主体的・対話的で深い学び」を実現することの意義

                  (「主体的・対話的で深い学び」とは何か)

                  • 「主体的・対話的で深い学び」の実現とは、特定の指導方法のことでも、学校教育における教員の意図性を否定することでもない。人間の生涯にわたって続く「学び」という営みの本質を捉えながら、教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求められる資質・能力を育むために必要な学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねていくことである。
                  • 主体的・対話的で深い学び」の具体的な内容については、以下のように整理することができる。「主体的・対話的で深い学び」の実現とは、以下の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることである。
                    a.学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、身に付いた資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。
                    b.子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教職員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。
                    c.習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。子供たちが、各教科等の学びの過程の中で、身に付けた資質・能力の三つの柱を活用・発揮しながら物事を捉え思考することを通じて、資質・能力がさらに伸ばされたり、新たな資質・能力が育まれたりしていくことが重要である。教員はこの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。
                  • これら「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の三つの視点は、子供の学びの過程としては一体として実現されるものであり、また、それぞれ相互に影響し合うものでもあるが、学びの本質として重要な点を異なる側面から捉えたものであり、授業改善の視点としてはそれぞれ固有の視点であることに注意が必要である。単元や題材のまとまりの中で、子供たちの学びがこれら三つの視点を満たすものになっているか、それぞれの視点の内容と相互のバランスに配慮しながら学びの状況を把握し改善していくことが求められる。

                  (各教科等の特質に応じた学習活動を改善する視点)

                  • アクティブ・ラーニング」については、総合的な学習の時間における地域課題の解決や、特別活動における学級生活の諸問題の解決など、地域や他者に対して具体的に働きかけたり、対話したりして身近な問題を解決することを指すものと理解されることも見受けられるが、そうした学びだけを指すものではない。
                  • 例えば国語や各教科等における言語活動や、社会科において課題を追究し解決する活動、理科において観察・実験を通じて課題を探究する学習、体育における運動課題を解決する学習、美術における表現や鑑賞の活動など、すべての教科等における学習活動に関わるものであり、これまでも充実が図られてきたこうした学習を、更に改善・充実させていくための視点であることに注意が必要である。
                  • こうした学習活動については、今までの授業時間とは別に新たに時間を確保しなければできないものではなく、現在既に行われているこれらの活動を、「主体的・対話的で深い学び」の視点で改善し、単元や題材のまとまりの中で指導内容を関連付けつつ、質を高めていく工夫が求められていると言えよう。
                  • 重要なことは、これまでも重視されてきた各教科等の学習活動が、子供たち一人一人の資質・能力の育成や生涯にわたる学びにつながる、意味のある学びとなるようにしていくことである。そのためには、授業や単元の流れを子供の「主体的・対話的で深い学び」の過程として捉え、子供たちが、習得した概念や思考力等を手段として活用・発揮させながら学習に取り組み、その中で資質・能力の活用と育成が繰り返される97ような指導の創意工夫を促していくことが求められる。あわせて、教科等を超えて授業改善の視点を共有することにより、教育課程全体を通じた質の高い学びを実現していくことも期待される。

                  (「深い学び」と「見方・考え方」)

                  • アクティブ・ラーニング」の視点については、深まりを欠くと表面的な活動に陥ってしまうといった失敗事例99も報告されており、「深い学び」の視点は極めて重要である。学びの「深まり」の鍵となるものとして、すべての教科等で整理されているのが、第5章3.において述べた各教科等の特質に応じた「見方・考え方」である。今後の授業改善等においては、この「見方・考え方」が極めて重要になってくると考えられる。

                  3.発達の段階や子供の学習課題等に応じた学びの充実

                  • 主体的・対話的で深い学び」の具体的な在り方は、発達の段階や子供の学習課題等に応じて様々である。基礎的・基本的な知識・技能の習得に課題が見られる場合には、それを身に付けさせるために、子供の学びを深めたり主体性を引き出したりといった工夫を重ねながら、確実な習得を図ることが求められる。
                  • 子供たちの実際の状況を踏まえながら、資質・能力を育成するために多様な学習活動を組み合わせて授業を組み立てていくことが重要であり、例えば高度な社会課題の解決だけを目指したり、そのための討論や対話といった学習活動を行ったりすることのみが「主体的・対話的で深い学び」ではない点に注意が必要である。
                  • 主体的・対話的な学び」の充実に向けては、読書活動のみならず、子供たちが学びを深めるために必要な資料(統計資料や新聞、画像や動画等も含む)の選択や情報の収集、教員の授業づくりや教材準備等を支える学校図書館の役割に期待が高まっている。公共図書館との連携など、地域との協働も図りつつ、その機能を充実させていくことが求められる。資料調査や、本物の芸術に触れる鑑賞の活動等を充実させる観点からは、博物館や美術館、劇場等との連携を積極的に図っていくことも重要である。
                  • また、社会や世界との関わりの中で、学んだことの意義を実感できるような学習活動も極めて重要であり、体験活動を通じて、様々な物事を実感を伴って理解したり、人間性を豊かにしたりしていくことも求められる。
                  • 加えて、Ictの特性・強み101を、「主体的・対話的で深い学び」の実現につなげ、子供たちに情報技術を手段として活用できる力を育むためにも、学校において日常的にIctを活用できるような環境づくりとともに、学びの質を高めるIctの活用方法についての実践的研究と成果の普及が求められる。

                  第8章 子供一人一人の発達をどのように支援するか

                  -子供の発達を踏まえた指導-

                  2.学習指導と生徒指導

                  • また、学習指導においても、子供一人一人に応じた「主体的・対話的で深い学び」を実現していくために、子供一人一人の理解(いわゆる児童生徒理解)の深化を図るという生徒指導の基盤や、子供一人一人が自己存在感を感じられるようにすること、教職員と児童生徒の信頼関係や児童生徒相互の人間関係づくり、児童生徒の自己選択や自己決定を促すといった生徒指導の機能を生かして充実を図っていくことが求められる。

                  3.キャリア教育(進路指導を含む)

                  • 日常の教科・科目等の学習指導においても、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら見通しを持ったり、振り返ったりしながら学ぶ「主体的・対話的で深い学び」を実現するなど、教育課程全体を通じてキャリア教育を推進する必要がある。

                  4.個に応じた指導

                  • また、基礎的・基本的な知識・技能の習得が重要であることは言うまでもないが、思考力・判断力・表現力等や学びに向かう力等こそ、家庭の経済事情など、子供を取り巻く環境を背景とした差が生まれやすい能力であるとの指摘もあることに注意が必要である。一人一人の課題に応じた「主体的・対話的で深い学び」を実現し、学びの動機付けや幅広い資質・能力の育成に向けた効果的な取組を展開していくことによって、学校教育が個々の家庭の経済事情等に左右されることなく、子供たちに必要な力を育んでいくことが求められる。その際、教職員定数の充実などの指導体制の確立やIct環境などの教育インフラの充実など必要な条件整備が重要であることは言うまでもない

                  第9章 何が身に付いたか-学習評価の充実-

                  3.評価に当たっての注意点等

                  • こうした姿を見取るためには、子供たちが主体的に学習に取り組む場面を設定していく必要があり、「アクティブ・ラーニング」の視点からの学習・指導方法の改善が欠かせない。また、学校全体で評価の改善に組織的に取り組む体制づくりも必要となる。

                  第10章 実施するために何が必要か

                  -学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策-

                  1.「次世代の学校・地域」創生プランとの連携

                  • 中央教育審議会においては、平成27年12月に、教員の資質・能力の向上を目指す制度改革、「チームとしての学校」の実現、地域と学校の連携・協働に向けた改革を柱とする三つの答申117を示しており、それを受けて文部科学省は、一億総活躍社会の実現と地方創生の推進のため、答申の内容の具体化を着実に推進するべく平成28年1月に「「次世代の学校・地域」創生プラン」を策定した。
                  • この中で、教員の資質・能力の向上を目指す制度改革については、国、教育委員会、学校、大学等が目標を共有して連携しながら、次期学習指導要領等に向けて教員に求められる力を効果的に育成できるよう、教育委員会と大学等との協議の場の設置や教員に求められる能力を明確化する教員育成指標、それを踏まえた研修計画の策定などを示している。また、「教員は学校で育つ」ものであることから、日常的に学び合う校内研修の充実等を支援する方策を行うこととし、「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善や外国語教育等の新たな教育課題に対応した教員研修・養成も充実していくこととしている。

                  2.学習指導要領等の実施に必要な諸条件の整備

                  (教員の資質・能力の向上)

                  • これからの教員には、学級経営や児童生徒理解等に必要な力に加え、教科等を越えた「カリキュラム・マネジメント」の実現や、「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善や教材研究、学習評価の改善・充実などに必要な力等が求められる。教科等の枠を越えた校内の研修体制の一層の充実を図り、学校教育目標や育成を目指す資質・能力を踏まえ、「何のために」「どのような改善をしようとしているのか」を教員間で共有しながら、学校組織全体としての指導力の向上を図っていけるようにすることが重要である。
                  • また、複雑化・多様化する学校の課題に対して、「チームとしての学校」の視点から対応していくため、例えば特別支援教育など学校教育を取り巻く共通的な課題や社会的な課題をテーマとした校内研修を通じてこれらに関する問題意識を共有し、個々の教員の資質向上を図ることも有効と考えられる。
                  • 教員の資質・能力の向上を目指す制度改革については、前述のとおり、国、教育委員会、学校、大学等が目標を共有してお互い連携しながら、次期学習指導要領等に向けて教員に求められる力を効果的に育成できるよう、教育委員会と大学等との協議の場の設置や教員に求められる能力を明確化する教員育成指標、それを踏まえた研修計画の策定などを実施することとしている。教員研修自体の在り方を、「アクティブ・ラーニング」の視点で見直すことなども提言している。

                  (指導体制の整備・充実)

                  • 前述のような教員の研修機会を確保するとともに、次期学習指導要領等を踏まえた「カリキュラム・マネジメント」の実現や、「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善や教材研究、学習評価の充実、子供一人一人の学びを充実させるための少人数によるきめ細かな指導の充実など、次期学習指導要領等における指導や業務の在り方に対応するため、必要な教職員定数119の拡充を図ることが求められる。

                  (教材や教育環境の整備・充実)

                  • 教科書を含めた教材についても、資質・能力の三つの柱や「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた視点を踏まえて改善を図り、新たな学びや多様な学習的ニーズに対応し、学習指導要領の各教科・科目等の目標を達成しやすいものとしていく必要がある。
                  • 特に主たる教材である教科書は、子供たちが「どのように学ぶか」に大きく影響するものであり、学習指導要領等が目指す理念を各学校において実践できるかは、教科書がどう改善されていくかにも懸かっている。「主体的・対話的で深い学び」を実現するには、教科書自体もそうした学びに対応したものに変わり、教員がそれを活用しながら、教科書以外の様々な教材も組み合わせて子供の学びの質を高めていくことができるようにすることが重要である。