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知事からのメッセージ 風紋 -補正予算の編成-震災対策を中心に

印刷ページの表示 ページ番号:0001001789 更新日:2011年7月21日更新

補正予算の編成-震災対策を中心に-

大分県知事 広瀬勝貞

 知事選挙の年は、選挙前は骨格予算と言われるくらい控えめな予算を組み、選挙後に補正予算で本格的な政策予算を編成することになっています。7月にその補正予算を議会に提案しました。その大きな柱はやはり震災対策です。

 東日本大震災では県民の皆さんのご心配を受けて、県でも救援物資を送ったり、義援金を集めたり、医師、看護師、それに土木建築技師など専門家を派遣したり、できるだけの応援をしています。市町村と協力して被災地から避難してくる人たちも受け入れていますが、これまでのところ156世帯、359人が来ておられます。

 今度のことは私たち自身の防災対策についても見直しを迫るものです。大分県ではこれまで海溝型の地震は東南海、南海地震を想定していましたが、今回の大震災を見ると、これに東海や日向灘も連動する可能性もあり、そうなると地震の規模も津波の大きさも想定をはるかに上回ります。大分県には過去に慶長豊後地震(1596年)、宝永地震(1707年)、安政南海地震(1854年)という3つの大地震の記録がありますが、これらも参考にしながら地震・津波の目安を検討しました。それによると地震もマグニチュード9程度、津波も4~5m、大きいところでは12.5mということで、今それを前提に防災計画の見直しを進めています。

 いち早く被災地に駆けつけた関係者の経験から、装備等の充実も図ります。例えば、災害派遣医療チーム(大分DMAT)の現地活動の反省から、非常用の通信機器や携帯用医療機器を充実します。また、これも派遣チームの知恵ですが、緊急時に最も必要になる非常用電源として車のシガーソケットを家庭用電源に変換できる機器なども新たに備蓄します。

 それにしてもあの日は大分県にも津波警報が出されましたが、実際に退避したのは、佐伯市で対象人口の6.1%、臼杵市で3.8%、大分市では0.36%という状況でした。いくら防災計画をつくっても住民が動いてくれなければ効果ありません。皆さんにもいろいろご意見があると思いますが、ここは住民と行政がよく話し合っておく必要があります。

 一旦大きな地震が起こると、命をつなぎ、物を運ぶための道路が極めて大事になります。東九州自動車道などの早期完成にさらに力を尽くさなければならないと思いますが、加えて県内各地を結ぶ道路、橋梁、法面等についても、さらに予算を投入して補強しておきたいと思います。
 また、県立、私立学校の耐震化工事も急ぎます。

 原子力発電所の安全性も大変に心配されます。先日の九州地方知事会でもこのことを議論し、安全基準の見直しと安全対策の総点検を国に要請しました。原子力への依存をできるだけ小さくするためにも、地熱など自然エネルギー自給率日本一の大分県としては、バイオマス、太陽光など新エネルギーの活用についても大いに努力していきたいものです。

県政だより新時代おおいたvol.77 2011年7月発行