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知事からのメッセージ 風紋 -社会人一年生の皆さんへ

印刷ページの表示 ページ番号:0000274626 更新日:2013年5月31日更新

社会人一年生の皆さんへ

大分県知事 広瀬勝貞

 春はまた学生が希望を胸に社会に巣立つときでもあります。迎える側にとっても新人は大事な「人財」ですから、歓迎式典で経験豊かなトップが真摯に語りかけている模様が、報道でも伺われていました。

 時代が足早に大きく変わろうとしている時だからか、多くのトップが、組織の枠をこえて、これまでの考え方にとらわれることなく、チャレンジして欲しいと語っています。「誰かがやるだろう」ではなく、「自分がやる」という気持ちで事に当たることを求めています。
 また、難しい時代だから、与えられた役割についてとことん勉強し、考えて、その分野の頼りになるスペシャリストになって欲しいとも言われています。

 新人にとってはなかなか大変なことだと思います。
 自分の経験を顧みると、初めからチャレンジというわけにはいきませんが、同じ仕事でも自分なりにいろいろ工夫していくとやり方にも磨きがかかり、結果も良くなって、日々新た、日々進歩の中に仕事の面白みを感じたような気がします。そしてそのうち「これは彼に任せればいい」と思われる能力も身についてくると思います。
 もちろんよかれとは思っても自分なりの工夫でやることですから、失敗も大小いろいろ経験しました。そんな時、頭ごなしにどやす上司もあれば、「心懸けよし」と言ってほめてくれる上司もあり、これはこれで良い勉強になった気がします。

 そろそろ5月、忙しかった歓迎行事も終わり、少し落ち着いてくると「勇んで社会人になったけれど、自分が思っていた仕事と違う、自分の会社選択は正しかったのか」と考えたり、「会社の中に誰も自分を理解してくれる人がいない、これでやっていけるのか」と悩んだりする人も多いと思います。

 それも分かりますが、今キャリア教育の不足ということがよく言われます。子供は家庭で親の背中を見たり、あるいは学校で話をしながら、自ずと働くとはどんなことか、将来どんな仕事をしたいか、そのためのどんな覚悟が要るかなど考えたものですが、今はその機会が少ないということです。
 だからやや遅くなったけれど、良い勉強の機会だと思いつつ、ここで少し腰を落ち着けて、働くことの意味とそのために自分を仕事に合わせる努力を考えてみるのも大事なことではないでしょうか。どんな仕事をするにしても、それがないとうまくいかないものです。

 多くの若者が張り切って前に進んでいると思いますが、そうでない方も大事な試練だと思って、焦らずに少し踏ん張ってみてはどうでしょうか。 

県政だより新時代おおいたvol.88 2013年5月発行